カワコ石

【かわこいし】

米子自動車道の蒜山インターチェンジを降り、道なりに国道482号線を湯原方面に走ること約2キロ、蒜山の玄関口と言える旧・川上村に入る。旧役場を過ぎると中福田地区になるが、この地には河童にまつわる二つの有名な伝承が残されている。

地区を流れる川に架かる橋のたもとに、“カワコ(河童)石”と呼ばれる石がぽつねんと置かれている。人の背丈よりもやや高いぐらいで、しかも細長く尖っているという感じの石である。

現地で紹介されている伝承によると、昔、このあたりで悪さをする河童がいたのだが、ある時に捕まえられて二度と悪さをしないという誓いを立て、その証にこの石に手形を押し、この石が倒れる時まで戻ってこないとして去っていったという。残念ながらこの河童の手形はほとんど目で確認することは出来ない。

また別の伝承としては、湯原にあった玉沢屋という運送業の者が馬をこの川で休めていた時に、河童が馬を引きずり込もうとしたが失敗、逆に囚われの身となった。河童は命乞いをして、傷の妙薬を製法を教えるとして、その証文として石に手形を押したという。

アクセス:岡山県真庭市蒜山中福田