磯良神社

【いそらじんじゃ】

地元では「おかっぱ様」と呼ばれる。資料などでも磯良神社ではなく「カッパ明神」の方が通る(あるいは「田子谷磯良神社」の名称も流布している)。県道に面したところに鳥居があるので分かりやすいが、周辺には人家は全く見当たらない。神社以外にはほとんど何もない。

昔、平泉の豪族・藤原秀郷(氏子の伝承による)の馬屋に虎吉という名の者が仕えていた。ある時ふとしたことでその正体が河童であることが分かってしまった。そこで暇をもらって主家を離れることにした。虎吉を可愛がっていた秀郷は、その時に持仏の十一面観音を与えたという。

虎吉は各地を巡って田子谷の沼まで辿り着くと、そこを気に入って終の棲家とすることとした。その後、虎吉は多くの子供を授かり、子河童たちがこの沼のほとりで相撲を取ったりして遊んでいる姿がよく見かけられたという。

小さいながらよく整備された社であるが、何と言ってもその横にある沼が印象的である。周囲に人家がないだけ、その神秘な光景は本当に河童が住んでいるのではないかと思ってしまうほどであった。

アクセス:宮城県大崎市岩出山上間山赤新田