松阪の石灯籠

【まつさかのいしどうろう】

江戸時代、この灯籠のところで行き倒れになった男がいた。助けを求めたが誰も助けようとしなかったため、「触りたくなかったら、触らなくてもいい」と言い残して男は亡くなった。それ以降、この灯籠に触れると祟りがあると言われるようになった。『松阪市史』によると、弘化4年(1847年)に現在地に灯籠が建てられたという記録があるが、それ以前については定かではないため、果たしてこの伝承が事実であるかは分からない。

まさに交差点に取り残された格好の灯籠である。しかも祟りがあることを示すかのように、何本もの卒塔婆が立てられている。“燈籠有縁犠牲者”と書かれているから、やはりここで亡くなった人がいると見ていいだろう。灯籠自体も傾いており、頻繁に接触事故などが起こっているのが分かる。それでも移動させないところを見ると、やはり曰く因縁の物件なのだろう。

※この写真は平成17年(2005年)2月のもの。その後燈籠は2014~15年にかけて撤去され、現存しない。

アクセス:三重県松阪市大黒田町新田