御首神社

【みくびじんじゃ】

祭神は平将門の御神霊。関東を根城にして歴史に名を残した平将門が東海地方に祀られているのには、次のような伝承がある。

討ち取られた将門の首は京都に運ばれてきて晒し首となったのだが、何ヶ月経っても一向に朽ち果てることもなく、それどころか切り離された胴体を求め、さらに一戦を交えようという勢いで罵り続けていた。そしてある時、首は胴体を求めて東に向かうべく、宙高く舞い上がって京都を去って行ったのである。

美濃国の南宮大社では、将門の首が関東に戻ればまた大乱が起こると怖れて祈願をおこなった。すると大社に座する隼人神が弓を構え、東へ向かって飛んで行く将門の首を矢で射落としたのである。

首は荒尾の地に落ち、そして再び関東へ行かないようにこの地に祀ることで将門の御霊を慰めた。これが御首神社の始まりと伝えられている。

首を祀る神社ということで、首から上の諸祈願に霊験あらたかと言われ、近年では合格祈願の神として知られる。また祈願の際には絵馬ではなく、帽子やスカーフなど首から上に身につけるものを奉納する者も多くあるとのこと。

<用語解説> 
◆南宮大社
美濃国一之宮。主祭神は金山彦命で、全国の鉱山・金属業の総本宮とみなされている。
南宮大社の境内摂社に隼人神社があり、その社の前には矢竹が植えられている。この神社の祭神は火闌降命で、瓊瓊杵尊と木花咲耶姫の間に出来た三人兄弟の真ん中神である(上の兄は海幸彦、弟が山幸彦となる)。

アクセス:岐阜県大垣市荒尾町