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恐山
(おそれざん)
青森県むつ市田名部字宇曽利山
 恐山は比叡山・高野山と並ぶ三大霊山の一つである。
 開基は慈覚大師円仁。円仁が唐で修行をしているとき、夢に聖人が現れ「国に帰り、東方へ三十余日行ったところに霊峰がある。そこで地蔵菩薩を一体刻み、その地に仏道を広めよ」というお告げを聞き、帰国後さっそく東方を目指し、見つけたのがこの恐山であったという。
 その後、戦国時代に大乱で壊滅状態となったが、むつ市内にある円通寺の宏智覚聚によって再興された。
 恐山の入口を越えると、真っ赤な太鼓橋が現れる。この橋は宇曽利湖から流れる三途の川に架かっている橋であり、ここからが恐山の“地獄”の始まりである。悪人がこの橋を渡ろうと思うと、橋が急に糸のように細く見えるという言い伝えがある。
 山内に入って一番最初に目に飛びこんでくる異様な光景は、荒涼とした岩場である。これが恐山の象徴である【地獄】である。活発ではないにせよ活火山の指定を受けており、ところどころから白い煙が立ちのぼっている。それに対して強酸性の宇曽利湖の岸辺は【極楽浜】と呼ばれ、絶妙のコントラストを見せている。
 このエリアでは「死ぬと魂は恐山へ行く」と信じられており、地蔵菩薩を本尊とした、死者の供養をおこなう霊場として信仰の対象とされている。
 また7月の大祭の時には、境内にイタコが常駐して「口寄せ」がおこなわれる。
<用語解説>
慈覚大師円仁
794〜864。第三代天台座主。最澄の高弟の一人。44歳で唐へ派遣され、以後約10年間当地にて仏法を修める。その記録は『入唐求法巡礼行記』として著されている。帰朝後は日本各地を巡り、多くの寺院を開山・再興している。恐山開山は862年のことである。

円通寺
青森県むつ市新町。1522年に開山、曹洞宗。恐山菩提寺の本坊として管理をおこなっている。明治維新後、旧・会津藩が移封されてできた斗南藩の藩庁となる。

恐山大祭
7月20〜24日。上山式や施餓鬼供養などがおこなわれる。この期間中、近隣のイタコが集まり「口寄せ」をおこなう。予約制ではないので、行列をなして待つことになる。「口寄せ」には、一柱につき3000円のお布施が必要。
<関連伝承地>
恐山冷水(青森県)

三途の川の太鼓橋

恐山の地獄

極楽浜


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