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くつ塚
(くつづか)
愛知県名古屋市南区浜田町
 浜田南公園にある。正式名称は「伊勢湾台風殉難者慰霊之碑」。伊勢湾岸に点在する、多くの伊勢湾台風関連の慰霊碑の中でも有名なものの1つである。
 昭和34年(1959年)9月26日。未曾有の台風15号は強大な勢力を保ったまま潮岬に上陸、東海地方に甚大な被害をもたらした。死者・行方不明者5098名という、台風による自然災害では最大の犠牲者を出した。とりわけ愛知県の被害は凄まじく、3351名が犠牲者が出た。さらに言えば、名古屋市だけで1909名、その中でも南区は1417名と突出した数にのぼった。伊勢湾台風による犠牲者の約3割がここに集中したことになる。
 この慰霊碑は、宝学区の殉難者307名の慰霊のために造られた。ちょうどこのあたりで避難中の群衆に高潮が襲いかかり、多くの犠牲者を出した場所とされる。台風が去って10日ほど過ぎてようやく水が引き出した頃、周囲には遺体と共に、数多くの雨靴が転がっていた。それらの靴は一箇所に集められ、多くの人々がその場所に手を合わせ、花や線香が手向けられるようになった。そしてそこはいつしか「くつ塚」と呼ばれるようになり、翌年、その場所に慰霊碑が建立されたのである。
<用語解説>
伊勢湾台風の被害
名古屋市南区で多数の犠牲者を出した最大の原因は、高潮である。猛烈な低気圧のために満潮時海面が持ち上がり、湾の最深部に向かって波浪が押し寄せたために、想定を遙かに超える高潮が発生したのである。さらに南区のかなりの部分はかつて低湿地帯であり、ゼロメートル地帯が広がっていて高潮に弱い地形であった。そして壊滅的な被害を決定付けたのは、名古屋港の貯木場にあった20万t近い木材が高潮によって流出して、住宅地に押し寄せたことであったとされる。
<関連伝承地>

くつ塚


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